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【試合解説】明治安田生命J2リーグ 第1節 ロアッソ熊本戦 ※無料配信

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待ちに待ったシーズン開幕!

このコーナー「CORAZON’s EYE」では、僕の視点で選手のプレーやメンタル面などを分析しながら試合のポイントを振り返ります。

時には厳しい事も書くかもしれないけれど、選手とサポーターが「One soul」で闘い、さらにはサッカーの魅力をより深く知ってもらうためのコンテンツとして楽しんでもらえたらと思います。

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痛恨のハンド 1対1でDFの心理は…?

0—1と惜敗してしまった熊本戦。

明暗を分けたのはズバリ、16分の先制点だったのは間違いない。

ハンドでPKを取られた場面。

ディフェンダーとしてプレーしていた僕からすると、飯田の気持ちは痛い程わかる。

去年も(田中)隼磨が同じようなPKを取られたのは記憶に新しいが、ハンドを取られないためにペナルティーエリア内の対応では後ろで手を組む事がよくある。

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だが、これにはデメリットもある。

手を組む事により体のバランスが保ちにくくなるため、ドリブルされると対応が難しくなるのだ。飯田も手に当たる前に一度後ろに組もうとしたのが、リプレイなどを見ると確認できるだろう。当たってしまった瞬間の表情を見てもわかるが「そのまま手を組んでいれば」という気持ちがあったんじゃないだろうか。本人は「去年なら体の後ろに手を回していたのかもしれない。試合勘が足りなかった」と自責の念を口にしていたけれど、個人的には責められない失点だという印象を受けた。

ちなみに僕の現役時代は、バランスを崩すのが嫌だったので手を組んで対応したことはなかった。ハンドのPKを与えたことはないが、それも全て結果論。ディフェンダーは結果論で語られる存在だ。

素早い切り替え 「らしさ」は随所に

ワンチャンスを生かして先制し、その後は引き気味に試合を進める熊本。1点を追う山雅のボール支配率はおそらく相手を上回っていただろう。ただ、流れの中で大きなチャンスをつくったのは11分、71分にボールを奪って早く攻めた時だったように思う。

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11分、石原を起点とした厚みのある攻撃

まず11分は中盤で工藤がボールを奪った後、チーム全体がすかさず攻撃に切り替えてチャンスメーク。左サイドの石原がオビナをスペースに走らせるボールを出すと、オビナが左クロスを上げるタイミングでペナルティーエリア内には3人が走り込んでいた。ファーサイドに流れたクロスを隼磨が再び中央に戻し、4人目の石原がミドルシュート。これはミートせず枠外に飛んでしまったが、厚みを感じさせる攻撃だった。

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71分、宮阪のボール奪取からのショートカウンター

71分はさらなるビッグチャンスだった。敵陣で宮阪が相手ボールを素早くカットし、すぐさま前の安藤へ。この瞬間、後ろ向きに下がる相手ディフェンダー3人に対して山雅の攻撃陣は4人と数的有利の状態だ。結果的に石原、オビナ、石原と立て続けに放ったシュートはいずれもブロックされてしまったが、やはり切り替えの早さを生かしてチャンスを生むのは従来から山雅が持ち味としてきた武器。言うのは簡単かもしれないが、ゴール前での精度を上げればおのずとゴールは生まれてくるだろう。

「格上・山雅」 選手にプレッシャーも

もう一つ山雅が今シーズンを戦う上で大きなポイントとなってくると思うのは、J1から来た「格上」と見られる事だ。

これは何も相手からだけではない。

我々サポーターにも、多少なりとも「J2なら勝てるだろう」「簡単に点を取れるだろう」という気持ちがあるかもしれない。そうした期待や「勝って当たり前」だと思われるプレッシャーが選手に掛かる状況は、昇格した2014年シーズンとは大きく違うはずだ。

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そうした中で先制点を許し、「格上」の相手に対して守る熊本を崩すのは簡単ではなかった。ゲームの序盤に先制を許してしまった事で、より難しい試合になってしまったのは否めない。

不運にもPKとなってしまったハンドさえなければ、山雅は勝っていたと思う。

説明したように従来通りの良さは出せていたし、バージョンアップの片鱗も見せていた。この日の試合を見て不安になった人もいたかもしれないが、得点により戦い方、内容もガラリと変わってしまうのがサッカーだ。

そんな気にする事ではない。

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勝ったら「この勝ちはデカイ」と思うが、何もシーズン42試合に全勝できるわけじゃない。負けたら「42分の1」だと割り切るしかなく、それが今回は初戦のタイミングだっただけ。

大事なのは、前を向いて進んで行く事だ!

構成/大枝 令

飯尾和也

文章:コラソン 飯尾 和也

元 松本山雅FC センターバック。
ヴェルディ川崎、ベガルタ仙台、サガン鳥栖、横浜FCなどでのプレーを経て、2011年 松本山雅FCへ加入。松本山雅FCのJFL→J2→J1昇格へ貢献し、2014年シーズン終了後引退。 現在はメンタルサロン コラソンの代表を務める傍ら、講演会等も行っている。
Jリーグ通算311試合出場
U-16、U-18、U-19日本代表

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