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【試合レポート】明治安田生命J2リーグ 第1節 ロアッソ熊本戦 ※無料配信

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取材日:2016年2月28日

熊本 1−0 松本

うまかな・よかなスタジアム/8,253人
得点【熊】清武(16分=PK)
警告【熊】植田、清武【松】オビナ、當間

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好機生かせず 黒星発進

【評】山雅は1点を追う後半に再三のチャンスを得たが、相手の堅固なゴールを割れず黒星発進。16分にハンドの判定でPKを与え、これを清武に決められて先制を許した。陣形を変えた後半はほぼ一方的に押し込み、石原、田中、工藤らが絡んだ流動的な攻撃で次々と好機を演出。しかし自陣ゴール前をきっちり固める熊本に手を焼き、最後まで崩せなかった。CKも後半だけで7本あり、63分にはフリーになった當間がヘディングを放ったが惜しくも枠外だった。

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「J2の厳しさ」 胸に刻んで次節へ

「改めてJ2は厳しいリーグだということを感じさせられた」

試合後の記者会見で反町監督の絞り出した言葉が、全てを物語っていた。山雅は唯一と言ってもいいほどの危ない場面でPKを与えて序盤に失点すると、後半は引いて守る相手を崩し切れず敗戦。内容では上回っても勝点が伴わなければJ1昇格への道筋は見えてこないが、指揮官は「これを良いクスリにして2戦目に向かいたい」と努めて前向きに振る舞った。

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後半。反町監督は「2トップとMFの距離感が遠かったので、潤滑油を注ぐ意味で工藤をシャドー(2列目)に置いた」と陣形を変えた。相手が自陣に引き気味になったことも手伝ってほとんどの時間帯で主導権を握り、シュート数では相手の1に対して7。ブロックされてカウントされていないシュートも含めれば、ほぼ一方的だった。キャンプから取り組んできた新たな攻撃スタイルは随所に出て、石原は「やってきた攻撃がうまく出せた部分もある」と振り返る。

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71分には宮阪のパスカットからショートカウンターで絶好機を得たが跳ね返され、78分には工藤のヒールパスから田中の右クロスで相手ゴールに迫った。ただ肝心のゴールは奪うことができず、石原は「しっかり決めないと信頼してもらえない。個人技の質を上げて打開しないと」と反省が先行。1点を先に失えばこうした展開になることは今後も予想され、田中は「先制点を取られても逆転する力をつけないと上には行けない。J1とは違う厳しさがあるが、受け入れてリスペクトしながら前向きに切り替えたい」と厳しい表情で振り返った。

「勉強になった。1試合なくなってしまったが、次への課題として受け止めたい」と工藤が話せば、宮阪も「失点をしなければ勝点1はついてくる。悲観することなく次に向かい、あと41試合で(勝点を)上積みしていきたい」。改めてJ2特有の厳しさを骨身に染み込ませ、次節の横浜FC戦で今季初白星を狙う。

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高卒ルーキー前田 プロ初舞台

他にも明るい材料はある。84分、交代出場した前田の存在だ。山雅の高卒ルーキーが開幕戦でいきなり出場するのは、2012年のJ2参入以降で初めて。それも、ただ出場するだけで満足はせず「負けてしまったので出られたことも特に嬉しいとは感じなかった。点を取りに行く役割なのに取れず、力不足を感じた」と反省が先行するあたりに将来性を感じさせる。

1点を追う終盤、石原との交代でピッチに立った。ボールに関わる機会は2、3回程度にとどまったが、50メートル5秒8という持ち味のスピードを生かして機敏に駆け回った。「(スタジアムに)来たときは緊張していたが、ゲームに入ったら『やるぞ』という気持ちになった」という。3月1日には山梨学院大附高の卒業式を控える18歳。「短い時間でも何かをできる選手なら使われる。まずはメンバーに入って定着したい」と強い意気込みを口にした。

文/大枝 令

  

編集長 大枝 令 (フリーライター)

1978年、東京都出身。早大卒後の2005年に長野日報社に入社し、08年からスポーツ専属担当。松本山雅FCの取材を09年から継続的に行ってきたほか、並行して県内アマチュアスポーツも幅広くカバーしてきた。15年6月に退職してフリーランスのスポーツライターに。以降は中信地方に拠点を置き、松本山雅FCを中心に取材活動を続けている。

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