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【試合レポート】第1節 磐田戦 ※無料配信

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取材日:2019年2月23日

磐田  1-1  松本

ヤマハスタジアム/14,469人
得点【磐】川又(71分)【松】岩上(8分)

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4年ぶりJ1の舞台 1−1でドロー発進

【評】4年ぶりのJ1に臨んだ山雅の初陣は、1−1のドロー発進となった。幸先よくゴールを決めたのは山雅。8分、永井がファウルを得て絶好の位置で直接FKを獲得した。キッカーの岩上はジャンプした壁の足元を通過するグラウンダーのシュートを放ち、これがネットを揺らして先制点となった。以降も14分に高橋、31分には前田がシュートを放つなど流れの中からチャンスを演出したが、ゴールには至らず折り返し。後半もボールを持たれつつ急所は封じていたものの、一瞬の隙を突かれて同点とされた。71分、自陣右サイドからクロスを上げられ、元日本代表FW川又堅碁が豪快なヘディング。ただ、以降も大崩れはせずドローで終え、最低限の勝ち点1を確保した。

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追い付かれるも 4年分の成長示す90分間

見事な先制パンチだった。

8分、山雅は絶好の位置で直接FKを獲得。キッカーの岩上が蹴ったボールは、高く跳んだサックスブルーの壁をあざ笑うかのように地を這ってゴール右隅へ。名手・カミンスキーの裏をかいてネットを揺らした。「GKと目線の駆け引きをして行けるなと思った。スピードが強いボールを意識して蹴った。立ち上がり勝負だと思っていたので先制できてよかった」。まさに理想的な滑り出しと言えた。

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その後もボールは持たれながらも要所を抑え、機を見た素早い攻撃で相手ゴールを脅かし続けた。14分はブラジル人トリオが軸となって繋ぎ、セルジーニョが裏へパス。裏を取った前田が絶妙の折り返しを入れたが、高橋のシュートは枠を捉えられなかった。31分には相手CKの2次攻撃を防いだところから前田がカウンターを仕掛け、永井と2人でゴール前に侵入。しかしこのシュートも決められなかった。

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「チームとしては前半に何個かチャンスがあったのでそこを決めていれば試合は決まっていたが、そんなにJ1は甘くない」と永井。まさにその言葉通り、後半に痛い目に遭った。71分。自陣右からクロスを入れられると、途中出場した磐田FW川又のヘッドで同点とされた。やすやすとクロスを上げさせてしまい、中で川又をフリーにしてしまった。2つの要因が重なれば、失点するのは半ば必然とも言えた。

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それ以外のプレーがパーフェクトだったとしても、たった1シーンのミスがあれば指摘されてしまうのがDFの宿命。川又に自由を与えたエドゥアルドは「練習からもっともっとやっていかないといけない。しっかり自分のミスと捉え、常に向上心や学ぶ姿勢を忘れないで成長していきたい」と受け止める。反町監督もその弱点を織り込み済みでピッチに送り出しており、記者会見では「真ん中のところはある意味想定内のやられ方だったので修正したい」と話した。

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成長を示したのは、むしろそれ以降の時間帯ではないだろうか。J1に初挑戦した4年前を振り返ってみると、終盤にガス欠になったり浮き足立ったりしてゴールを割られるケースが目立っていた。だが今回、磐田のホームで最後まで脚が動いていたのは山雅。相手に絶好機を与えることもなく1−1でクローズした。「勝ちに行くのはもちろんだが、残り5分になったら最悪勝ち点1でも…というのはピッチ内でも統一されていた」と橋内。1試合で判断するのは性急かもしれないが、当時よりも堂々と勝ち点1を積み上げてみせた。

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ドローに終わった試合は、得てして選手の中でも評価が分かれるものだ。ただ、この日は前向きな答えが多く返ってきた。前田は「誰にも負けないスピードがあるので、やれるという自信は始まる前からあった。次は勝てるように頑張りたい」と言ってのけ、セルジーニョも「勝ち点3を取ることはできなかったが、それに値する試合はできたしチャンスもたくさんあった。この調子でやっていけば自然と勝ち点3は積み重ねられると思う」と歯切れがよかった。

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名古屋と3−3の打ち合いを演じた4年前のJ1開幕戦と比べ、得た勝ち点は同じ1。自分たちも相手も違うから単純比較はできないものの、手応えや内容は明らかに違っていたように映る。ただ、肝心の勝ち点3を積み上げられなければ同じ轍を踏んでしまうことも明らか。次節は、昨季に辛酸を舐めさせられたアウェイ大分。永井は「古巣でもあるし、次の大分戦でしっかり(ゴールを)決めたい」と力を込めていた。

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服部 初のJ1舞台にも堂々とプレー

「シンデレラ」という言葉を当てはめるには、少々武骨すぎるかもしれない。山雅の反町監督は3バック右に188センチの服部を起用。3年前まではJ3相模原のアマチュア契約選手で、プールのインストラクターをしながらサッカーをしていた。国内最高峰のひのき舞台にも萎縮せず「やる前はすごく緊張していたが、いざピッチに入ってみたら普段と変わらないようにやれてうまくゲームに入れた。怖いという感覚はあまりなかった」と汗をぬぐった。

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大きなミスなく90分間を終え、「結構自分が思い描いていたJ1という舞台とは違って、実際ゲームに入ってしまえばあまり変わらないなというのが正直な感想」と頼もしい。ただその半面、クオリティの違いは肌で体感した様子。途中出場で同点ゴールを挙げた磐田FW川又の名を挙げ、「川又選手は決めたけれど自分は決められなかった。やっぱり1人ひとりの質は相当高い」と口元を引き締めていた。

  

編集長 大枝 令 (フリーライター)

1978年、東京都出身。早大卒後の2005年に長野日報社に入社し、08年からスポーツ専属担当。松本山雅FCの取材を09年から継続的に行ってきたほか、並行して県内アマチュアスポーツも幅広くカバーしてきた。15年6月に退職してフリーランスのスポーツライターに。以降は中信地方に拠点を置き、松本山雅FCを中心に取材活動を続けている。

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